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母親教室では教えてくれない緊急帝王切開体験記

 

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はじめに。帝王切開って、限られた妊婦だけの話じゃないよ

私は上の子を緊急帝王切開で出産しました。

帝王切開って、妊娠中の母親教室では殆ど触れられないんですよね。

妊婦さんの不安を煽るのは良くないとか色々理由はあるようですが。

でも、だれにでも緊急帝王切開になる可能性はゼロじゃないんです。

そして、緊急帝王切開になると、成功して子供が無事に産まれても

なかなかじぶんの中で事実を受け入れられない母親が沢山いると言うことも聞きます。

私もそうでした。

自分はまともに子供を産むことすらできないのか、と。

コンプレックスを感じていました。

自分が出産した、と言う言葉も最近ようやく躊躇わず使えるようになりました。

それまでは、生まれてくれたとか、出してもらった、という表現を使っていました。

だからこの記事は是非妊婦さんにこそ、読んで貰えたら、と思います。

そして今検診に通っているお医者様、助産師さんとお話する機会になればいいなと。

あくまでも私の体験談と、帝王切開仲間から聞いた話のミックスです。

 

何故帝王切開になるのか?

人によって様々な理由があるようです。

友人は逆子で予定帝王切開でした。

また別の友人は陣痛がおこったものの高血圧症になり緊急帝王切開をしたという話も聞きます。

私の場合は、胎盤剥離の疑い、でした。

正式には常位胎盤早期剥離疑い、と母子手帳に記載されています。

胎盤剥離は、大量出血を起こすと母子ともにかなり危険な状態になる妊娠合併症の一つとされていて、まず帝王切開が選択されます。

胎盤剥離になる原因はわかっていません。

可能性としては、転倒、喫煙、ストレスなどと考えられているようですがこれが間違いなく原因!と断言できるものはないそうです。

 

私の緊急帝王切開体験記

 予定日の2日前、2013年大晦日

簡単な掃除をしていたお昼頃から右の脇腹にキリキリとした差し込み痛を感じました。

陣痛は生理痛のように重たい感じのする鈍痛って聞いてたし、なんだろう…?

と思いつつ、あったかいものを飲んだり、ゆっくり座ったりして様子を見ていました。

しかし、数時間経っても痛みが治らない。

我慢できないほどではないけど、ずっと違和感がある。

いつもの私ならそのまままだ様子を見てたかもしれませんが

オットと私の母の勧めで出産予定の個人の産婦人科へ電話をしました。

もしかしたらそのまま入院かもしれませんので入院セットを持ってきてくださいとのこと。

いやいや、この程度の痛みだし、なんともなかったねーで、すぐ帰ってくるよ。

とおやつのドーナツは食べずに夫婦で午後3時頃に家を出ました。

 

産婦人科でまずエコー見てみようかとエコーをしていた先生がぽつり。

「これ、ソウハクかもしれんな…」

ソウハクって何?な私。

(後で知りますがソウハク、は常位胎盤早期剥離の略でした)

明らかに顔色が変わる助産師さん。

すぐに地域の大きい病院に電話をして事情を説明し始める先生。

電話が終わると、先生は、もしかしたら胎盤剥離の可能性があるということ

そうなるとうちでは対処できないのでこれから地域の大きい病院に救急車で搬送することを私たち夫婦に告げました。

もしかしたら違うかもしれないし、大事を取った処置だからとも言われましたが

私としてはもう不安で一杯。

顔に出てたんでしょうね。

助産師さんに、大丈夫だから、大きく息をして、お母さんが不安になるのは一番良くないよと言われる…。

このまま起き上がってはダメと言われ、点滴を繋がれ、救急車がやってきて、あっという間に搬送。この時点で4時。

搬送されると、内診室に連れていかれ、

胎盤剥離の可能性を探るための血液系の凝固検査用の採血、

点滴、内診、エコー、手術着への着替え、尿管挿入…

などなど看護師さん6、7人+お医者さんで一気に処置されてる状態…

え、検査じゃなくてもうこれは手術前提じゃないか…

途中、看護師さんから

最後に食べたの何時?!

と書かれ、

お昼ご飯は12時、3時にお茶を飲みました…

と答える。3時にドーナツ食べなくて本当に良かった…

その間、オットは先生からやはり採血の結果も胎盤剥離の可能性が高く、

このまま麻酔医が今行なっている手術が終わり次第帝王切開を行うことと、

手術の際のリスクなどの説明を受け全ての同意書にサインしていたそう。

 

一旦病室に通され胎児の心電図が繋がれていたけど、心拍も正常、胎動もあるくらいで、

本当に酷い状態なんだろうか?と疑問に思うほど。

病室に居たのは数十分、7時前に手術室へ。

7時10分に息子誕生。8時前に手術終了でした。

最初の病院受診からわずか4時間で帝王切開となりました。

 

術後の気分の落ち込みとその原因

術後、私はとにかく自分を責めました。

自分が何か悪いことをしてしまったからちゃんと産んであげられなかったんだ。

と思っていました。

下半身麻酔の副作用で頭痛もひどく、体調が悪いのも影響していたでしょうし、

胎盤剥離で酸欠が疑われたので息子は生まれてすぐNICUの保育器へ。

今まで妊娠経過が順調にきていたこともあって

こんな風に息子が保育器に入ってしまったのも私のせいなんだと思っていました。

自分は自分の力で頑張って子供を産んであげることもできないどころか

子供を保育器に入れてしまった

かわいそうなことをしてしまった

と感じたんです。

 

この原因は、

やっぱり想定していない出産を選択せざるを得なかった

ということが一番大きいなと思いました。

また、胎盤剥離という妊娠合併症がいかに命の危険があるものか知らなかったこと。

もちろんいいイメージを持って、自分は出産できると信じてお産に臨むことが凄く大切なんだとは思います。

が、そう思ってたのに思い通りにならなかったことが私の落ち込みの原因でした。

後から胎盤剥離の恐ろしさを本やインターネットで知り、やっと帝王切開は必要だったんだと腹落ちできました。

また、同じく帝王切開を経験した人から、

落ち込んだ気持ちや同じような体験を共有できたこと、

今子供が元気ならいいよね、と話せたことが私には大きかったのです。

 

五人に一人は帝王切開になると言われている時代です。

妊婦健診などでも、経膣分娩と同じく帝王切開についても知る機会、経験のある人のはなしを聞く機会が増えればなと感じています。